死者の時間〜最期のメッセージ〜
「確かに、友達がそばにいてくれているにしてはあの怯え方は異常だったな」

如月刑事も頷き、藍は「彼女はもしかして桑原くんのことで何か知っているんじゃないかしら？」と言う。

「二人のことは調べてみる」

如月刑事はそう言い、藍に微笑んだ。



それから、如月刑事と原刑事が二人について調べている間に、藍は学校の中や外を歩き回っていた。どこで桑原陸人が頭を打ったのかを調べるためだ。

「桑原さんがいじめられていたという話は聞いていない。ということは、彼は虐待を受けていた可能性が高い。親に反抗できない怒りを朝日奈さんにぶつけていた？」

そんなことを呟きながら、藍は運動場を歩く。しかし、こんなところで頭を打っていたのなら制服に砂が付いているだろう。

「ここで頭を打った可能性は低いわね……」

藍が空を見上げると、重く暗い雲からポツリと水滴が落ちる。雨、と藍がわかった刹那、大きな音を立てて雨が降り始めた。
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