死者の時間〜最期のメッセージ〜
藍はベッドに、如月刑事はソファに横になる。藍が「あなたがベッドを使ったら？」と勧めたが、如月刑事は首を縦に振ることはなかった。

「おやすみ」

挨拶を交わし、電気を消す。藍はすぐに眠気に襲われ眠りに落ちた。



藍は霧の中を歩いていく。それが夢だと藍は考えることもせず、ただ何かに導かれるように歩いていた。

足が止まることはない。この先に誰がいるのか何となく藍はわかっていた。

「……お兄ちゃん！」

藍が呼ぶと「藍、どうしたんだ？」と霧の中から青磁が現れる。白衣を着て立派な監察医の姿をしていた。

「お兄ちゃん、ずっと探していたの。言いたいことがたくさんあるのよ。私、監察医になったわ。あの時の約束を守ったの。だから、一緒に働きましょう。そして、私はあなたのことをーーー」

「無理だよ、藍」

言葉を口にしようとした藍を、青磁は悲しげに止める。その刹那、青磁の体が頭からゆっくりと溶けていった。藍の目の前にあるのは、青磁の骨。
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