希望の華
由緒ある忍の家系と言っても、忍としての生活などもう二百年以上送っていない。
だから今になっては忍の稽古を中心に剣道、柔道、合気道、弓道...さらには茶道に華道、書道、日本舞踊。
ありとあらゆる道、芸事に手を出している。
「何を言っていてもお茶は飲むんですね。」
「悔しいが、お前の茶が誰のものよりも美味いからな。
それよりも、お前、茶道はもう十分だろう。
苦手な柔術の稽古でもしたらどうだ。」
彼は総帥であり、私の師匠。
「琥珀様もご存知でしょう。私が武術を嫌う理由を。
ましてや相手に触れたまま、力を入れようだなんて無謀ですよ。
それから。叔父様、右腕。
出してください、今朝ですか。」
私の言葉に呆れたように出した。
そこには大きな切り傷があった。血は止まっているものの、という感じ。
私は柄杓で水を釜に入れる。
私は両手を合わせて目を瞑った。
やがて、微かに熱を持ったその手を開いた。
その手に浮かび上がる淡く光るその光を叔父様の傷口に近付けた。