希望の華

私はつばを呑み込み、ふすまに手をかけた。
ここに神楽がなければその時はその時だ。

一息でふすまを開ける。



部屋にいた二人の男が私の方を向く。
髪を頭の頂点に近いところで結んだ目つきの悪い男と、伸びた髪を軽くひとつにまとめ着流しもゆるく着る男。

着流し男の横に神楽と私のナップザックがあることを確認。
男をきっ、と睨んだ。



一瞬で空気が変わり、男がその横の日本刀に手をかける。

...日本刀?
状況把握ができない、でも事態は決していいものではないことは確か。



立ち上がった男の足元を狙って回し蹴りする。
もう一人の目つきの悪い男が足元を狙って鞘に入れたままの刀を振ってくる。

私はそれを足で止め、そこに体重をかけて壁の方に飛んだ。


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