明日、きみと“オトナ”になりたい。
「何にする?」
「んー……いま、悩み中」
有名アイスショップの前、“フタリキリ”で肩を並べる。
「俺、バニラ」
「私は……どうしよう……。抹茶?」
「なんで疑問形なの」
「苦すぎたらどうしよっかなって」
“タメイキ”をひとつ、彼はこぼして――それから笑った、思いっきり、笑った。
「そしたら俺のバニラと混ぜて、甘くしてやる」
「わっ、やったね。それなら抹茶にする」
店員さんが“ニコニコ”しながら、私たちをみている。なんだか“ザイアクカン”に苛まれそうだ。