星の数より多く、君に愛を伝えたい。

輝美side

【君の闇】


夏休みが終わり、2学期が始まった。
受験が近い人たちもいて、みんなそればかり話している。



「莉音は、やっぱり音楽系の大学に行くんだよね」



「そうだよー」


莉音の歌、高校を卒業しても聴けるといいなあ。



「お前、何言ってんだよ!!」



みんなの楽しんで話している声を妨げるような、ひどい罵声が聞こえた。



「ざけんなっ!」



「何がだよ!」



喧嘩?

ふたつの怒声に、それぞれの会話で盛り上がっていたみんなはしんとした。
廊下に出て、みんなは何があったのか確認しに行く。



「お前さあ……自分のやってることがわかんねぇの?」



「お前が、そんな怒ってる意味がわかんない。……言いたいことあるなら、はっきり言えよ!」



「ちょっとやめなさい!」



先生が止めに入った声が聞こえて来る。



「何があったの?」



わたし達も、廊下を出て見てみた。

みんなに見られているのは、隣のクラスにいる和田くんと……松岡くん!?



「松岡が最初、俺に怒鳴ったんです」



「松岡くん、どうして?」



松岡くんは、怖い目をしていて何も答えない。



「放課後、職員室いらっしゃい」



あの松岡くんが怒鳴って、他の人と喧嘩なんて信じがたかった。




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