星の数より多く、君に愛を伝えたい。
「なんていうか、松岡くんはすごいよね」
「すごいって?」
別に、俺がすごいところなんてない。
「わたしが、おばさんと話してた時、ああいうふうに聞けるって。わたしだったら、性別の違う人にああいうことがあっても、多分何も言わないと思うの」
「おばさんと話してた時……。あー、授業参観で、俺が望月の家庭事情を聞いた時のことか?」
「ああー……。気になっていたのが、あの時からじゃなかったからなぁ」
俺は、ついそう言ってしまった。
「えっ!? あの時からじゃなかったって、どういうこと?」
そりゃあ望月も驚くよな。
だって、それ以外に心当たりなんてないはずなんだし。
「前々から、望月の家庭事情が気になってたんだよ。“お母さん”って言い方もなんか不自然だったし、家族の話をする時とかもぎこちなかったし」
「そう、なんだ……。あんまり自分では思ってなかったな……。今まで、“お母さん”って言い方が不自然だなんて言われたことなかったし……」
友達も、そう言っているところなんて俺も見たことない。
きっと、望月の言い方が不自然だなんてことを野本たちも気にしてなかったんだろうな。
それに……話すしかないか。
俺が、あの時どうして望月にあんな質問をしたのか。
望月が、勇気を出して孤児であることを話してくれたんだ。
俺も、話そう。
あの時のことを。