星の数より多く、君に愛を伝えたい。
「実は……俺は気づかないふりをしたことが原因の最悪な過去があるんだ」
それは、俺が中3の時。
俺には好きな女の子がいた。
中1で出会って、中2でクラスが離れ、中3でまた同じクラス。
いつも無理しているようで。
誰とも話していないところで、苦しそうな表情をする女の子だった。
その女の子の名前は、綾瀬 星歌(あやせ ほしか)。
でも、俺は何もしてやれなかった。
何か嫌なことがあったんだ。
でも人生に嫌なことくらい、いくらでもある。
そう思って、俺はそっとすることしかできなかった。
何かあった時に手助けをするくらいで。
でも、そんな言葉で片付けられるようなことじゃなかったんだ。
星歌は、心不全だった。
しかも、星歌はクラスの女子にさえ1人にも言っていなかった。
星歌は、どうやら生まれつき心臓病を持っているようで、中3になる頃では既にどんどん悪化していったらしい。
星歌は、病気であることを家族以外誰にも伝えず、この世からいなくなったんだ。
星歌が死んだことを担任が伝えたらさ、女子たちはみんな目を真っ赤にして口々に言っていた。
『星歌ちゃんともっと話したかった!』
『わたしが星歌ちゃんの代わりになりたかった!』