星の数より多く、君に愛を伝えたい。

星歌が死んだってことを伝えられた放課後、俺は思考回路が停止したまま、家に帰ったら知らない女の人がいたんだ。



『あなたが、もしかして松岡 太一くん?』



『ああ……はい、松岡 太一です』



『わたしは、綾瀬 星歌の母です。あなたが星歌とよく一緒にいてくれたのね? 星歌が苦しそうにしていたら、保健室に連れて行ってくれたっていう……』



星歌のお母さんは、星歌に似て笑顔が少し無理しているように見えた。



『星歌ね、病院にいる時いつもわたしにあなたのこと話してたの。それから、こういうことも言っていたわ。「お母さん、心配しなくて大丈夫。太一くんが、いつも手助けしてくれてるから、苦しくないよ」って』



『星歌が言ってたんですか?』



『ええ。星歌に、よくしてくれて本当にありがとね。星歌は、天国に行ってしまったけれどあなたといた時間は、前よりも生きやすくなっていたと思う』



そう言って、バッグを探る星歌のお母さん。



『これね、実は読んでて察したことがあるのよ』



そう言って、星歌のお母さんは小花模様のリングノートを取り出した。



『これ、星歌のなんだけど。これは、星歌が病気じゃなかったら、どんなことをしたいかっていうのが書かれてあったの』



思わず、俺は星歌のお母さんからそれを受け取って開いてしまった。




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