星の数より多く、君に愛を伝えたい。

お母さんへ


お母さん。
まず、わたしを大変な思いをして産んでくれたのに、お母さんより先にわたしが天国へ行くことになっちゃってごめんなさい。

わたしは、元気な子よりずっとずっと手がかかる子だったはずなのに、お母さんはいつも笑顔で優しくしてくれたね。ありがとう。


お母さん、心配性で転校した後もわたしのことずっと大丈夫かなって言ってたけどわたしは大丈夫だったよ!


だって太一くんがいたんだもん。


太一くんは、わたしが苦しい思いをしたらすぐ、かけつけてくれて保健室へ連れて行ってくれた。

あんなに優しい男の子、はじめて見た。

太一くんは、まるでヒーローみたいな人だった。


わたし、病気を持っていなかったら恋人とずっと一緒になって子どもがほしいって思っていたんだ。

結局、お母さんには孫の顔も見せてあげられなかったけど。

きっと太一くんっていうヒーローのような子といられたっていうのは、恋人がほしかったわたしへのせめてもの贈り物だと思っているの。

だから、わたしは大丈夫だったしこれからも大丈夫だよ。


わたしは、お母さんの娘としてずっとずっと天国でお母さんを見てるから。
どんな形であろうと、わたしとお母さんは親子だよ。
ずっと。



星歌




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