星の数より多く、君に愛を伝えたい。

「だから俺、あの時からもうやめたんだよ。何か異変に気づいた時、気づかないふりなんかやめようって」



星歌のことは、あの時は本当に後悔してしまくった。
俺が1日1日をもっと大事にしていれば、こんな終わりにはならなかったかもしれないんだから。


でも、これが未だに自分にとって正しい覚悟なのかは分からない。


もしかしたら、自分の傷を広げないようにするために決めただけなのかもしれない。
自分でも、分からないんだ。


そっと望月を見てみると、またぬれたような綺麗な瞳をしながら俯いている。
しかも、自分のことのように悲しそうに眉を下げて、口をきゅっと結んで。



「そうだったんだ……」



涙声じゃないけど、こんな顔をされたら泣く寸前みたいだ。



「いいんだよ。望月が、そんな顔しなくても。星歌が教えてくれたんだよ。失った時間は戻ってこないことを。何か気になることがあったら、見ないふりをするのは良くないってことを」



そう、あの経験をしなかったら俺は中学ん時から成長しなかったかもしれない。
病気で亡くなった人のおかげ、と考えるのは良くないけれど星歌に出会えて知ることができた。


いろいろな人がいるってことを。
知らんぷりはいけないってことを。




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