星の数より多く、君に愛を伝えたい。
「そろそろ、文化祭かぁ。みんな、どう?」
スケジュールを確認しながら、真帆がそう言った。
壁にかかってあるカレンダーを見てみると、確かに文化祭が近づいていることがわかる。
「わたしのところ、歌の練習始まってるよ」
莉音が、軽い調子でそう言う。
「へぇー。なんの歌?」
「待ってて。今楽譜出すから」
わたしが聞くと黒いファイルから、莉音は楽譜を取り出した。
1番上は、歌のタイトル。その下は歌詞。それから下は、歌う時の音程やピアノを弾く時の音符が書かれてあった。
「へえ、この歌聞いたことないなあ」
「うん、わたしも」
「でも、いい歌詞だねえ」
真帆、花乃、わたしと順番に楽譜を見つめ合いながらそう言ってはお互いの言葉に頷く。
「他は? 花乃は演劇部でしょ?」
真帆が、また話を振った。
「あ、そうそう! 今年やるのはね、恋愛モノ! ……かといって、この学校の演劇部は結構恋愛モノをやってたりするんだけどねー」
確かに、わたしが1年生の頃も恋愛モノだったな。
まあ恋愛モノといっても、甘々な恋物語だったり切ない話だったりいろいろあるから面白い。
仕事で出会って、お互いギクシャクしていたけれど、どんどん関係が近づいていくような大人の恋だった気がする。