星の数より多く、君に愛を伝えたい。

プラネタリウムで星を見終わった後は、



「あー、面白かったねー!」



「うん、すごく!」



瑠奈と美奈は、わたしの目の前でそう言いながらはしゃいでいる。


2人は、まだ小学生でおそろいのワンピースを着ていて、おそろいの髪型をしている。高校生のわたしからしたら、まるで2人は大きな人形みたいだ。



「あれ、望月?」



「松岡くん……?」



全然気がつかなかった。あの松岡くんがプラネタリウムにいただなんて。そして彼と、ここで偶然会っちゃうだなんて。



「来てたんだ……」



「うん」



何を話せばいいか分からない。


……とりあえず、あの時のお礼でも言っておこうかな。



「えっと……。こないだ、シャーペン、拾ってくれてありがとう」



「あ、いいよ、そんなの」



「輝美、何してるの?」



向こうで叔母さんの声が聞こえた。



「あっ、ごめん。もう行かなくちゃ。じゃあね!」



わたしは、手を振りながらそそくさと離れていった。



「う、うん。また学校で!」



彼も、ぎこちない笑顔で手を振り返してくれた。




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