星の数より多く、君に愛を伝えたい。

「今年はどんな恋愛なの?」



わたしがそう聞くと、花乃はうっとりと目を閉じた。



「今年は……幼なじみと主人公は大人になったら結婚する約束をしたものの……その幼なじみが数年前亡くなって……。そのショックからずっと立ち直れない主人公が、新たに一歩踏み出していく話なの!」



話すたびに、どんどん感情的になっていく花乃。
頰は赤らんでいて、瞳はキラキラと輝かせている。



「なるほどー。じゃあ、今年は切ない系ってこと?」



莉音が、納得したように頷く。



「そういうこと! 絶対来てよね! 3人ともまとめて泣かすから!」



花乃はいきなり、いつものかわいい系女子から怖い系女子に変わった。



「怖いよ……」



わたしはそう言って、花乃を落ち着かせた。
切ない系かぁ。

映画で見たことあるけれど、切ない恋の話って誰かが亡くなったり、病気になったりするよね。



「輝美も美術部だし、期待してるよ!」



「あはは……ありがとう」



美術部の方の絵も、どんどんいろいろな絵が出来上がってきている。
今年もわたしが描いた絵を見てもらえる、となると楽しみだなあ。




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