星の数より多く、君に愛を伝えたい。
帰りのホームルームが終わって、グループで固まってまだ教室で話す子達もいれば、誰にも目を合わせず、帰っていく子もいる。
わたしも帰ろうとすると、松岡くんと目が合った。
「松岡くん……」
「一緒に、帰るか?」
「うんっ!」
気がついたら、わたしは頷いていた。
「あれ、輝美?」
「ああ、ごめん。今日は2人で帰る感じ?」
真帆……茶化してないようで、茶化してるよね。
優しく微笑んでいるように見えて、もう分かってるよ。
優しい微笑みを崩さないように頑張っているみたいだけど、唇の端っこがむずむずと動いているんだもん。
「別に平気だよ。俺も、海斗と帰るし」
あ、新垣くんも一緒なんだ。
「えっ、新垣くんと一緒なの!?」
「うん。俺ら、仲いいし。あいつ、1人でいんの嫌がるしな。純平は彼女と帰ってるし」
純平は彼女と帰ってるし。
吾妻くん、すみれちゃんと帰ってるんだ。
「あーごめん! わたし、用事あるから先に1人で帰ってるね!」
莉音が、そそくさと帰った。
莉音……今の言葉、聞きたくなかったんだね。
そりゃあそうだよね。
最近立ち直ってきたとはいえ、好きな人は好きな人。
でも、松岡くんは莉音が吾妻くんを好きなんて知らないんだよ。
だから、誰かを責めるべきではないんだよね。
でも……何もしてあげられなくて。ごめんね、莉音。