星の数より多く、君に愛を伝えたい。
音楽室へ急ぐと、すでに椅子は用意されてあって半分くらいは埋まっていた。
莉音は……あっ、いた。倒れた看板を立て直している。
「りおーん」
わたしが手を小さく振ると、莉音はこっちに気がついて振り返してくれた。
ぞくぞくとわたし達の後ろには、人がやってきて席はどんどん埋まっていく。
部長らしき人が簡単に挨拶をした後に、ピアノの音と同時に合唱部の発表が始まった。
伴奏者が弾くピアノの音色と莉音達の数々の歌声、指揮者のゆったりとした指揮が一つに重ねた。
歌声が、音楽室に、わたしの心に響き渡る。
歌い終わると、音楽室には拍手が響き渡った。
他の生徒も仲のいい合唱部員の方へ駆け寄る。
わたし達も、莉音の方へ向かった。
「莉音、お疲れさま!」
「あの歌、ほんとによかったよ!」
真帆とわたしがそう言うと、すかさず花乃も、
「すごく綺麗だったよ!」
と、にっこり微笑んだ。
「ありがとう。今度は花乃の番だね!」
「うん。じゃあわたし、準備に行ってくるね」
花乃は、手を振りながら演劇部員が集まる場所へ走った。