星の数より多く、君に愛を伝えたい。
太一side
「わたし、わたし……! 松岡先輩のことが、好きです!!」
俺のことを校舎裏まで呼び出して、そう言葉を放ったのは1年の関口 なつ。
桃色の頰は、優しい雰囲気を漂わせていて。
赤ん坊が笑った時みたいに、えくぼが浮かぶ、白い肌をしている。
何より、この笑顔。
まるで、太陽のエネルギーでももらって輝いているようだった。
多くの男を惚れさせるようなこの笑顔。
実際、関口のことを好きだという男はこの学校にわんさかいる。
俺だって、彼女はすごくいいと思っている。
ただ……この告白を俺はイエスとは言えない。
「そんな風に思ってくれて、ありがとう」
俺は、そう言った後に、
「でも……ごめん。ごめんな」
と言った。
はあ、こんな振り方でよかったんだろうか。
とか言いつつ、どんな振り方であろうと俺は関口の彼氏になんてなれない。
「そうですか……」
関口はそれでも、口角を上げている。
俺と目を合わせると、彼女はニコッと微笑む。
「話を聞いてくれて、ありがとうございます。もう一つ、いいですか?」
そう言って、背を向ける関口。
「……望月先輩のことが、好き、なんですよね?」