星の数より多く、君に愛を伝えたい。

「来週、授業参観だねー」



下校中、わたしの真横で莉音が言った。
……えっ、授業参観?



「あれ、そうだったっけ?」



「輝美、今日の手紙確認してないの? 来週の土曜日、授業参観だよ?」



真帆が説明してくれた。
うわ、思いっきり見落としてたな。



「じゅ、授業参観か……」



もし、おばさんが来るんだったらバレないようにしないとだよね。
まあ、授業参観では毎回恒例のことなんだけど。



「みんなはお母さん、来るの?」



「来ると思う」



花乃の言葉に、莉音が答えた。



「あたしのとこ、絶対来ない。仕事で忙しいんだって」



真帆は首を横に振りながら、言った。



「そうなんだぁー」



「輝美のところは来るの? それとも来れないって?」



「どうだろう? とりあえず、今日聞いてみる」



とにかく、おばさんが来れたとしても絶対に親子として見えるようにしないといけない……よね。
うん、大丈夫。いつものことだから。




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