星の数より多く、君に愛を伝えたい。
「残念だったねぇ、関口さん」
うちのクラスに入ると、なつちゃんの話で持ちきりになっている。
「ねー。まあ、一部の男子からしたら嬉しかったと思うけど」
まあ、なつちゃんのことが好きな男の子もたくさんいるからね。
「大原さんのところは、成功したもんね」
「大原さん、クリスマスデートするのかねえ」
「いや、するんじゃない? カップルってそういうもんでしょ」
そういえば、クリスマスも近くなって来たからなぁ。
「おーはよ、輝美」
後ろからわたしの両肩に手を置いて来たのは、真帆だった。
「ああ、真帆。おはよう」
「こっちおいで!」
いきなり手を掴んだと思うと、真帆はわたしを誰もいない選択教室へと連行しだした。
そこには、莉音と花乃もいた。
「なつちゃん、失敗したんだってね」
「良かったじゃない、輝美!」
花乃と莉音は、まるで今から告白することを応援してるように言い出した。
「待って、わたし告白するとか言ってないよ!!」
「全くもう、いつまで自分の気持ちを隠すのよ! 本当に本当に、後悔しないの?」
両拳を腰に当てて、怒ったふりをする真帆。
「それは……」
「いつか絶対思い伝えようね! そうだなぁ、卒業まで! できれば、今月中! せっかくクリスマスがあるんだしね!」
莉音は歯を出して、ニコッと笑う。
「いやいやいや、待ってよ〜!」
今月中って、クリスマスって……。
もう3週間あるかないかくらいだよ!
卒業までっていうのでも、もう残り3ヶ月しかないし!
残り少ないわたしの高校生活、どうなっちゃうの!?