星の数より多く、君に愛を伝えたい。

わたしがトイレから出ると、偶然松岡くんと目があった。



「おはよう」



表情ひとつ変えずに、松岡くんは口からその4文字をこぼした。



「おはよ、松岡くん」



そ、それにしても危なかったぁ……。
あと少しでぶつかるところだったもの。



「あ、おはよ」



松岡くんは、わたしの後ろにいる真帆たちにも挨拶をした。



「おはよー」



「おはよう!」



「おはよう」



莉音、花乃、真帆と順番に松岡くんに挨拶を交わす。

それが終わると、松岡くんはさっさと教室に入っていく。



「輝美、本当にチャンスかもしれないよ! 脈アリかもよ!」



「はい? まさかこれだけで? ちょっと意味がわかんないよう!」



「でもねぇ、あの美少女を振ったことで輝美と彼がくっつく可能性が高くなったっていうところは事実だと思うんだよなぁ」



いやいやいや、そういうことじゃないでしょ。


美少女は告白して、100パーセント成功するってわけじゃないし。
結構、ありきたりじゃないかな?

高嶺の花といわれるような女の子が恋したのは、実は恋愛する気ゼロの男子とかさ。




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