星の数より多く、君に愛を伝えたい。

昼休み。
お弁当を食べ終えたわたしは、少し校庭に出ることにした。



「てーるみ!」



後ろから、真帆がわたしの両肩を掴んだ。



「真帆、莉音と花乃も」



莉音も花乃も、後ろに立っていた。



「あ、あそこ」



「あそこって?」



莉音が気づいたところを指差すと、すみれちゃんとなつちゃんがベンチに腰掛けていた。


2人とも、明るそうじゃないな。

男子達も少し通り過ぎたりしているけれど、すみれちゃん達に気を遣っているのか、いつものようにじろじろ見ることはない。



「なんとなく、分かってたんだ」



なつちゃんが、寂しそうにそう言った。



「え?」



すみれちゃんが不思議そうに、下を向いていた顔を、なつちゃんの方まであげた。



「松岡先輩、絶対わたしのこと振ると思ってた」



あ……昨日のことを話していたんだ。
そりゃあ、まだ気にしないでいることなんてできないよね。



「わたし……先輩に勝てっこないよ」



なつちゃんの言葉に、わたし達は思わず顔を見合わせた。



「ちょっと場所変えよう」



真帆が小声で言って、わたし達は小走りで階段を登り、2階の廊下まで行った。




< 153 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop