星の数より多く、君に愛を伝えたい。
「だってさ、松岡くんと一緒にいた女の子って他にいる?」
花乃が人差し指を出して、ウインクをしている。
「え、松岡くん、サッカー部だし、同じ部活の女子とかも……」
そうそう、サッカー部は美術部とは無縁じゃないか。
わたしよりも、サッカー部の女子の方が松岡くんと一緒にいるし、話しているだろう。
わたしなんて、少し話しているだけなんだから。
「でもさぁ、輝美の可能性はゼロだといえる?」
花乃は、莉音と真帆にも話を振った。
すると、莉音も真帆もニヤついているのが目に入った。
「言えないね!」
「輝美だって、なつちゃんにとっては先輩だもんねー」
大きく頷き合いながら、そう話す2人。
「文化祭とかだって、一緒にいること多かったもん」
「しかもお出かけの時だってね」
「あれだって2人っきりじゃなかったでしょ!」
あれはみんなが一緒だったから、肩の力も抜いていた方だった……と思う。
だから、松岡くんだってわたしに対して何も思っていないでしょ。
「でも松岡くんが輝美と一緒になりたいって思ってたかもしんないよ!」
「そーそー! それなのに輝美が、あんなジタバタするから2人っきりのチャンス逃しまくったんだもん」
「だ、だって……」
これじゃあ、わたしが恩知らずの人みたいじゃないか!
いや、そうかもしれないけど……。
わたしの心拍数は、気がつくとかなり上がっていた。
そのせいで、わたしは夜までなつちゃんや松岡くんのことをずっと考え続けていた。