星の数より多く、君に愛を伝えたい。

翌日。
今日は、学校が休み。



「さて、と……」



わたしは、受験に必要なものの確認をした。


わたしが志望校を受験するまで、残りわずかとなった。


志願書、受験票などといった必要なものは、すべてそのために用意しておいたケースに入れてある。


校長先生との面接練習も、まだ完璧とはいえないから、まだまだ面接としての練習も必要だし……。



「後はデッサンの練習とかも、ひたすらするしかないかな……」



わたしはそう言いつつも、目はなぜか賞の方へ行ってしまった。
『望月 輝美殿』と書かれた、小学生の頃や中学生の頃の賞もある。


……お父さんや、お母さんにも見せたかったな。


わたしが1番最初に賞をもらったのは、小学5年生の頃。
お父さんとお母さんが亡くなって、2年後のことだった。



『おとうさん、おかあさん。ようちえんで、え、かいたんだよ!』



『輝美は、本当に絵が上手ね〜』



『また父さん達に、絵を見せてくれよ!』



もし、あの時お父さんとお母さんが生きていたら、どんな顔をしていただろうか。



「輝美」



ドアが開いて、おばさんが顔を覗かせていた。



「おばさん、どうかした?」



「ちょっと来てくれる?」



おばさんはなぜか、悲しそうな微笑みを浮かべていた。



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