星の数より多く、君に愛を伝えたい。

「ウソーっ!」



「ええーっ! 別れたの!?」



翌日、学校へ行ってみると女子達の叫び声が聞こえた。


声のする方を見ると、花乃と真帆がいた。
わたしの足音に、2人が気づく。



「どうしたの?」



「大原さん、別れたんだって!」



わ、別れた?
大原さんって、すみれちゃんのこと?
別れたって、彼氏と?


確か彼氏って、吾妻くんだよね?



「ま、まさか吾妻くんと?」



わたしがおずおずと口を開くと、2人はこくりと頷いた。



「えーっ!!」



わたしもそこで、さっきの2人の声に負けないくらいの大声を出した。



「でも、なんで!?」



すみれちゃんは吾妻くんのことが好きで、吾妻くんだってあんなに、あっさり告白を受け入れたのに。



「いや、それが分かんないのよ!」



花乃がおどおどしながら、そう答える。



「何があったんだろうね……」



「2人とも浮気とかはしないだろうしね……」



「あれ、3人ともどうかした?」



ソプラノの声が聞こえて、見ると莉音が立っていた。



「り、莉音……」



わたしは唾を飲み込んでから、2人と頷き合ってから話していた内容を言うことにした。



「あのね、吾妻先輩とすみれちゃん、別れたんだって」



「え!?」



莉音にとっては、嬉しいことじゃないかな。好きな人と他の女の子が別れたというニュースは。それでも優しい莉音は、喜びをあらわにしていない。



「どう……して?」



「色々考えたけど……やっぱり価値観の違いだと思うよ。恋人って、それで別れることが多いみたいだし」



真帆が、さっきの焦っていたことが嘘のように言い出した。

価値観。
一体、2人はどこでずれたのだろう。





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