星の数より多く、君に愛を伝えたい。

1週間後、冬休みが始まった。


今日は12月22日で、瑠奈と美奈は友達にあげるクリスマスプレゼントを選んでいるために、近くのデパートへ来た。


ちなみにわたしも何かいいものがあったらいいなと思い、2人の付き添いとして来ているということ。


もうすっかりクリスマスシーズンだ。いろいろなお店で、店員さん達もサンタ帽をかぶっている。



「友達に、これ買ってあげたいなー」



「それ? いいんじゃない?」



ラメの飾りがついた鉛筆や、キャラクターの絵が描かれたケースつきの消しゴム。
いかにも女子小学生が好みそうなものばっかり。



「じゃあ、これ!」



瑠奈は鉛筆削りと消しゴム、美奈はボールペンと修正テープ。
どちらも、パステルカラーでキャラクターの絵がついている。



「お姉ちゃんは?」



買い物を終えた美奈は、わたしの方を見上げてくる。
松岡くんって、何が好きなんだろう。



「ええっ! えーっと……」



「おばさんが言ってた、お姉ちゃんの好きな男の子にもしかして買ってあげるの?」



「え!!」



唐突な瑠奈のセリフに、わたしの心臓は勢いよく飛び上がった。


うーん、真帆たちは茶化してくるからつい素直じゃないこと言っちゃったけど……さすがに幼い妹の前でジタバタしていたらおかしいかな。

しかも瑠奈と美奈はからかうんじゃなくて、気になってるだけかもしれないし。



「うん……。何がいいかなーと思って」



「えーっ、高校生の男の人って何が好きなんだろう」



「なんだろう。うん、分かんないや」



……ですよね?
小学生の妹の方が高校生男子が喜ぶようなものを、わたしより先に思いついたら衝撃だよ……。



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