星の数より多く、君に愛を伝えたい。
すると、大学生のカップルっぽい人たちが楽しそうに話しながら、マフラーを選びあっているのが目に入った。
「寒いし……マフラーとかがいいかな」
それを見て、ボソッとつぶやいたわたし。
「マフラー?」
わたしの声を聞いた、瑠奈と美奈の声がハモった。
「文房具もいいと思ったけど、なんだかそれだと小学生っぽいし、男の人用のネックレスは恋人じゃない人に渡されたら重いかなって思ったから。この季節だし、マフラーとかは役立つかなって思ったけど……。瑠奈と美奈は、どう思う?」
『どう思う?』なんて別に9つ離れた妹に聞く必要あるのかって思ったけど、なんとなく不安になる。
安心がほしくて、幼い妹に同意を求めちゃうなんて姉としてどうなんだよって感じがするんだよな。
「いいと思う」
「うん! かっこいいの選ぼうよ、お姉ちゃん」
「ありがとう、2人とも」
小さな体から出てくる、強い言葉を胸に、わたし達はマフラーが売っているお店へ向かった。
「うーん、どんなのがいいかなぁ」
「これとか!」
美奈が見せてきたのは、黒に黄色と白の星柄のマフラーだった。
「うーん、星柄は子供っぽい感じなんだよねぇ」
悪くはないけど、松岡くんは黄色よりももっと似合う色があると思う。
「ネックウォーマー?」
マフラーだけじゃなくて、ネックウォーマーもある。
そういうのでも良さそうだよね。どっちにしろ、この季節で使えそうだし。
「これにしようかな!」
わたしが選んだのは、無難に紺色のネックウォーマーだった。