星の数より多く、君に愛を伝えたい。
「じゃあ、クリスマスディナーの始まりということで、ケーキの箱を開けるか! メリークリスマス!」
ケーキの箱を開けながら、そんな言葉を発するおじさんは、まるでもう酔っ払っているみたい。
真っ白な生クリームに、真っ赤ないちご。
金色で『Merry Christmas』と書かれた、チョコプレート。
「わあ〜っ、美味しそう!」
「ケーキもいいけど、チキンやシチューもたくさん食べてね」
わたし達は、ガーリックトーストにシチューをつけて食べたり、チキンを頬張ったり、もちろんケーキも食べた。
濃厚なクリームに覆われた、ふわふわのスポンジに香ばしくて甘いチョコプレートが喉を通り、心を満たした。
金色の粒をキラキラ光らせた、真っ赤ないちご。
種が口の中で、ぷちぷちと騒ぎ出す。
「んー、美味しいー!」
「美味しいねぇ!」
「あっま!」
お酒を飲んでいたおじさんも、ケーキを口にした。
「あはは、美奈クリームがついてる」
美奈のピンク色の唇の一部が白くなっているのを見て、瑠奈は向かい側で笑い出した。
そういうことを言っている瑠奈も、頬のあたりの生クリームがついている。
「ふふ、瑠奈だってクリームついてるよ」
「お姉ちゃんだって!」
美奈の言葉に、わたしが口元に手を当てると生クリームがついていたことに気がつき、おじさんとおばさんにくすくすと笑われた。