星の数より多く、君に愛を伝えたい。
太一side
受験間近だというのに急に外に出るなんて言い出した時、俺の母さんは案の定すごい顔をした。
まあ、そりゃあそうだけどな。
数年後に医者になるつもりの俺が、勉強そっちのけで今ここで望月を待っているんだから。
女子が望月に対する噂をしていることで、「受験より噂か」と思った時もあったが、俺に対して人のこと言えないという奴もいるだろうな。
とかいいつつ、俺は大切な人を優先しているだけなんだよな。
大切な人に、渡したいものがあるから。
家では、親が「受験勉強」と何度も言ってきてうるさいし。
その受験で頭がパンパンになりそうなくらい、いろいろなことを叩き込まれたんだし。
少しくらい、大切な人に_____望月に会うことを許してほしい。
「松岡くん!」
粉雪が舞う中で、俺を呼んだ望月。
「望月」
望月の吐く白い息が、ふわふわと宙に浮いている。
「これ、クリスマスプレゼント」
「ありがとう」
俺が差し出したプレゼントを、望月はそっと受け取った。
「じゃあ、わたしからも」
星柄の包み紙を開けると、紺色のネックウォーマーが入っていた。
「サンキュ」
俺は、望月がくれたネックウォーマーを首につける。
イルミネーションが、いろいろなところに飾られてあって、暗い世界をカラフルに輝かせている。
「綺麗……」
望月はあちらこちらを見ながら、イルミネーションを眺めた。
「ん」
俺は相槌を打ちながら、イルミネーションを見るふりをしながら望月から目を離さなかった。