星の数より多く、君に愛を伝えたい。
頼んだ、二つのホットチョコレートが運ばれてきた。
コーヒーも捨てがたかったけれど、ホットチョコレートの甘さとあたたかさが冬にぴったり。
「んー、美味しい……」
頰を少し赤く染めて、ホットチョコレートで少し茶色くなった口元の端っこを上に上げた望月。
熱々のホットチョコレートが、冷えた体をじんわりとあたためてくれる。
いや……違うな。
俺の冷えた体をあたためているのは、望月自身だ。
望月の表情、声、仕草そのものを見ているだけで熱い。見なくても熱い。望月がここにいるってだけで、熱い。
「ありがとう」
いや待てよ。なんだよ、今の不意打ちの『ありがとう』は。
「松岡くんがいなかったら、こんな美味しいホットチョコレート、飲めなかったよ」
チラチラ俺と目を合わせながら、望月はそう言う。
もう、これ以上俺の体を熱くしないでくれ。
外が寒いんだから、ただでさえ室内があったかいのに、ここまで熱くなったら危険なくらいだ。
「いいんだよ。俺がしたくてしてるんだし」
身も心も熱すぎて、もうこれしか言えないや。