星の数より多く、君に愛を伝えたい。
女子トイレに入ると、仲良い人なんかいなくて、ほとんど話したことない女の子たち4人くらいしかいなかった。
「教えて? なんなの?」
莉音が興味津々に、わたしにぐいっと顔を近づけてくる。
「近くに、誰がいたっけ?」
「一応、男子が5人くらいいたよね?」
松岡くんをはじめとする男子たちの席の近くには、他の男子も固まっていたからね。
まあ、その男子たちは2人とか3人とかだったから大勢とはいえないよね。
「新垣(あらがき)くん? それとも、高杉(たかすぎ)くん?」
「ううん、どっちも違う。本当に、なんでもなかったんだ」
「えー……松岡くんでも、なかった感じ?」
花乃の言葉に、
「ふぇ!? いや……うん、本当に違う」
と言いながらわたしはすぐに横を向いたけれど、ふーん、と満足げに頷いた莉音。
「なーるほど! そういう人が好きなんだね!」
「確かに松岡くん、優しいし、笑顔も明るいし、コミュニケーション能力も高いって聞いたことがあるし。いいんじゃないかな?」
真帆が、松岡くんの長所を急にすらすら言い出した。
「えええっ!?」
いつの間にか……わたし、松岡くんに恋をしていることにされているんですけど……。
どう反応をすればいいのか分からない!