星の数より多く、君に愛を伝えたい。

俺も望月も、ホットチョコレートを飲み終えた。


……ダメだ、やっぱり今このテーブルを望月と2人で挟んでいるということを少しでも意識するだけで熱い。



「送ってく」



俺がそう言うと、望月が黒目がちな瞳を大きく見開いたが、すぐに細くした。



「ありがとう」



望月が見せた笑顔は、本当に輝きすぎだろと思うくらい綺麗だった。


外に出ると、木枯らしが吹いてきて、望月の巻いていたマフラーがふわっとなびいた。


木枯らしで寒いはずなのに、熱すぎた俺にとっては落ち着くくらいだった。


望月の白い手は、手袋のせいで見えない。


俺は、何度も「後悔しないように」と言い聞かせて手袋で覆われた望月の手を握った。



「あ、ごめん」



「ううん、そんな……」



「夜だから、いつ転んでもおかしくないんだよなぁ。だって、どこで道が凍ってるのかも分かんないし」



そりゃあ俺だって、望月が転ぶのは嫌だ。
ただ、本当の理由としては、俺が望月の手を握りたかったから。


そんなことをストレートに言っておけば、どれだけ苦労しなかっただろう。


そんなストレートな男であれば、自分から手を繋いで、こんなにドキドキすることはないだろう。


残念ながら、そんなストレートじゃない俺は自分から手を繋いでおいてもうドキドキしている。




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