星の数より多く、君に愛を伝えたい。
俺と望月は、横断歩道まで来た。
……よし、青信号か。
「危ないっ!!」
望月が突然、俺の体の真横に飛び出した。
横目で見ると、なぜか突然光景はスローモーションになっていた。
俺は倒れ、望月の体は、宙に浮いて俺が動けない間に地面へと沈んだ。
「いってて……」
倒れた途端は、俺は数秒間ぼんやりしていたと思う。
ただ、にぶい音がして我に帰った。
俺の目の前で、望月 輝美という女子が目を閉じて固まっている。
「輝美ーっ!!」
気がつけば俺の体は動いていて、望月の方へ駆け寄っていた。
「輝美っ、輝美!! しっかりしろ!」
この時、俺は1番呼びたいと思っていた呼び名で彼女を呼んでいた。
しかし、今は呼び名について気にしている場合ではない。
それに望月をはねた車も、気がつけば見えなくなっている。
残念ながら、今は車に対して怒りの矛先を向けることを最優先にしていけない時だ。
「誰か! 誰か救急車を! AEDを! 誰かーっ!」
腹から声をこれでもかという思いを乗せて、叫んだ。