星の数より多く、君に愛を伝えたい。

幸い、その声は辺りに響き渡り、通りかかった人がAEDを持ってきてくれたり、119番通報をしてくれたり、みんな輝美を救おうと頑張ってくれた。

救急車に俺は乗せてもらえることはなかったけれど、母親からの電話があった。
輝美は、俺の両親が働く病院へと搬送されたらしい。


俺は、猛スピードで両親が働く病院へと向かった。


輝美は、今治療を受けているだろう。


病院は広くて、一体誰かどこにいるのやら分からない。


でも、立ち止まっていちゃどこにも辿り着かない。


俺は走っている間に、深刻そうな顔をしている親父を見つけた。



「太一……!?」



俺がここにいると思わなかったのか、親父は目を見開いた。



「なあ、輝美を助けてくれよ! 医者なんだろう!?」



俺は走るのをやめて、親父の両肩を掴んだ。



「落ち着け、太一。望月さんの怪我は、言うほど大きくない」



その言葉を聞いて、俺は一気に肩の力が抜けた。



「よかっ、た……」



「だけどな、太一」



親父は、いつもの厳しい顔を俺に見せた。



「太一。言ってるだろう。医者は、人を救う。“救う”と“救える”は違う。仮に手術が行っても、急に様子が悪くなることもありうる」



こんな時でさえ、なんでこういう厳しい正論を聞かなくちゃなんねぇんだよ……!
ほんとは分かってる。



必ずしも救えると限らないのは、分かってる。
それでも、それは感情を抑えられることじゃない。




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