星の数より多く、君に愛を伝えたい。
治療室から出された輝美は、ベッドで仰向けになっていた。
「輝美……」
輝美の細くて小さな体は、確かに大きな怪我をしていなかった。
けれど、瞳は閉じている。
あのぬれたような、きれいな瞳がいつ開くのかは誰にもわからない。
輝美……。
もう一度、あの瞳を見せてくれよ……。
不意に、ドアがガラガラッと音を立てて開いた。
「お姉ちゃん!」
「お姉ちゃん!」
同じ顔をした、小さな女の子が2人、泣きべそをかきながら入ってきた。
「やだ、まだ行かないで!」
「お姉ちゃんだけ、お父さんとお母さんのところに行くなんてずるいよ!」
あっ……。
そういえば、輝美、言ってたな。
妹がいるって。
お姉ちゃん、と輝美のことを呼んでいるということは。
この2人が、輝美の妹だったのか。
「お姉ちゃん、起きてよ!」
輝美の2人の妹は、姉に届かない声を張り上げている。
俺は、2人を見つめるだけで慰めることができない。