星の数より多く、君に愛を伝えたい。
「瑠奈、美奈!」
輝美のおばさんが、後から入ってきた。
瑠奈ちゃんと美奈ちゃん、というのか。
そうなんだなぁ、この2人はいつも望月と一緒にいた。
「あなたは……輝美と同級生の……」
おばさん、俺の顔を覚えていてくれたのか。
「松岡 太一です。申し訳ありませんでした! 俺のせいで……」
俺は、その場で土下座をした。
「頭を上げてちょうだい! あなたのせいじゃないって、お医者さまから聞いているわ」
顔を上げてみると、おばさんの目は涙の膜が張られてあって真っ赤だった。
2人にとって、大切なお姉さんなんだよな、望月は。
しかも、いつも一緒にいてくれるお姉さんが目を覚まさない。
俺が瑠奈ちゃんと美奈ちゃんに、何かできないだろうか。
「瑠奈ちゃん、美奈ちゃん」
「えぇっと……」
ああ、そうか。
瑠奈ちゃんと美奈ちゃんと俺は、初対面だった。
だとしたら、俺の名前は知らないか。
「俺、松岡 太一。お姉さんと同じクラスだよ」
「松岡さん……」
瑠奈ちゃんも美奈ちゃんも、鼻をグシュグシュ言わせている。
「輝美を信じような」
「え?」
ちょっと、くさいセリフだっただろうか。
「目を覚ますことを、信じて待とう。俺も、輝美に早く目を覚ましてほしい。……元はといえば俺が原因なんだよなあ」
「え?」
瑠奈ちゃんと美奈ちゃんは、俺の言っていることが分からないようで、声をハモらせた。まあ、そりゃあ分かんないか。
「俺と一緒じゃなければ、君達のお姉さんはこんなことにならないで済んだかもしれないし」
「ううん」
「さっき、おばさんから聞きました」
美奈ちゃんは首を横に振り、瑠奈ちゃんはさっきとは違う、冷静な声を出した。
「悪いのはひき逃げした方です」