星の数より多く、君に愛を伝えたい。
美奈ちゃんを見ると、美奈ちゃんも瑠奈ちゃんと同じように冷静な顔つきになっていた。
瑠奈ちゃんの言葉を、美奈ちゃんが続ける。
「だから……お姉ちゃんがこうなったのは松岡さんのせいじゃないです」
あ、この2人は本当に輝美の妹なんだな。
同じ目をしている。
望月と同じ、ぬれたようなきれいな瞳。
そして、その瞳に負けないくらいのきれいな心の持ち主。
「あの、わたしたち……」
口ごもり出す美奈ちゃん。
「わたしたちのお父さんも、交通事故で死んじゃったんです」
「お母さんも、その後病気で死んじゃったから、わたしたち、おじさんとおばさんと暮らしてるんです」
あぁ……輝美から聞いた話だ。
この2人が確か、まだ産まれて間もない時だったとか言っていたな。
「わたしたち、お父さんとお母さんにお願いしてきます!」
「お願い?」
「お姉ちゃんを助けてくださいって」
2人の目からは、また涙が出そうになっている。
「お姉ちゃん、よく話してくれるんです。お父さんとお母さんの話」
「どれもお父さんとお母さんが優しかった話ばっかりなんです。お父さんとお母さんなら、お姉ちゃんの命を助けてくれるに違いありません!」
涙や鼻水に邪魔されても、2人は必死に言葉を紡いでいる。
俺は、2人の強い言葉に感動した。
まだ小学生なのに、こういうことを考えられるだなんて、本当にしっかりしている。
「そうか。なら、大丈夫だ。お父さんとお母さん、輝美が瑠奈ちゃんと美奈ちゃんにとって大事な人だって分かってくれてる証拠だもんな」
「はい!」
2人がお願いするなら……俺も。