星の数より多く、君に愛を伝えたい。
ガチャ
閉まっていなかったままの窓から、玄関のドアが開く音が聞こえた。
「ただいまー」
「おとうさんだ! おとうさんとも、おほしさまみるー!」
「おかえりなさい」
帰ってきたのは、星太と美歌の父親、そしてわたしと結婚してくれた人。
「太一くん」
そう、わたしと結婚してくれた人の名前は松岡 太一くん。
「おとうさん、おかえりー!」
「なんだ、母さんと星見てたのか?」
「そうだよ!」
「みかね、おとうさんと、おかあさんと、おにいちゃんと、みかで、おほしさまみる!」
「ふふっ。2人とも言ってたもんね、『早くお父さん来ないかなあ』って」
2人とも、太一くん、いや、お父さんが大好きで星太は日曜日にサッカーを一緒にやったりするし、美歌も『かんごしさんになりたい!』って言ったりしている。
「今、白血病で入院している学生さんがいるんだけどさ、最近順調に治療が進んでんだよ」
「そうなの? はやく元気になるといいわね」
太一くんは無事、大学の医学部を卒業して今はお医者さんになっている。