星の数より多く、君に愛を伝えたい。

今日は授業参観。


俺が同じクラスの男子の話を聞いていると、輝美、という声が聞こえた。



「おっ、お母さん……」



望月が、たじたじになり出した。
望月 輝美の母親……か。


……やっぱり、望月が発する『お母さん』という言い方はどこか不自然だ。


別に今だけなら、親が来たことで緊張している、という捉え方になるかもしれない。


けれど、今だけじゃない。


ましてや、親がいないところでも家族のことであんなにたじたじになるだろうか。



「ちょっと、こっち!」



望月の母親と望月がいつも一緒にいる女子たちの会話を遮って、彼女は母親の腕を掴んでどこかへ行こうとした。


さすがの彼女の友達も、瞬きをしている。




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