星の数より多く、君に愛を伝えたい。

輝美side

【自分のひみつ】


それは、わたしがまだ小学校にも通っていない頃のことだった。


お母さんに抱かれて、幼い頃のわたしは星を見ていた。



「おかあさん! きょうも、おほしさまがキラキラしてるよー!」



夜空をきらめかせる、無数の星々を小さな指でさしていたわたし。



「ホント。とても綺麗ね」



わたしを抱きかかえて、静かな声で相槌を打つお母さん。



「ねえ、おかあさん」



星から目をそらして、わたしはお母さんの方を向いた。



「なあに?」



「どうして、おかあさんは、てるみにおほしさまを、みせたの?」



「それはね、お星さまを見ると疲れが取れるからよ」



「そうなの?」



「ええ。輝美(てるみ)が産まれる前から、お母さんはお星さまに沢山癒されたわ」



そう言ってから、お母さんも夜空できらめく遠い遠い光を見つめた。
が、またすぐにわたしの方を向いた。



「ねえ、輝美。いつか輝美に子供ができて、今のお母さんとあなたみたいに2人でお星さまを見ることになったら、素敵ね」



それを聞いたわたしは、お母さんににこっと笑いかけて、



「うん! てるみ、おおきくなったら、おかあさんみたいにだっこしておほしさま、みる!」



と言った。



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