星の数より多く、君に愛を伝えたい。
6歳の頃、幼稚園で友達と喧嘩をし、夜になっても落ち込んだままの時があった。
『どうしたの? 輝美』
心配したお母さんが、幼いわたしの顔を覗き込んだ。
『おかあさん……。きょう、おともだちとけんかしちゃった……』
『そう、喧嘩しちゃったの……。ごめんねって言えた?』
『ううん。だって、おともだちだって、いけないもん!』
ブンブンと首を横に振りながら、強気な口調で言う幼いわたし。
『そうね、輝美はいい子だもんね』
意地を張るわたしに、お母さんは静かに笑って言った。
『でも大丈夫よ、輝美はいい子だから、明日お友達にごめんねって言えるわよね?』
『やだ……。てるみ、わるくないもん!』
幼いわたしはまた、首を横にブンブンと振って強気な口調で言った。
『輝美、お母さんは、悲しいことあったら、何すればいいって言ったかしら?』
『おほしさま?』
『そう、お星さまが慰めてくれるわ』
幼いわたしはお母さんに背中を押されて、ベランダに出た。
『うわぁ、きれーい!』
夜空にきらめく星々が、わたしを笑顔にした。
『今日もとっても綺麗ね。ほら、輝美はもうかわいい笑顔に戻ったわ。お星さまのおかげね』
お母さんが、にこりと優しく微笑む。
「うん!」
お母さんと同じように、幼かったわたしもにこりと笑った。