星の数より多く、君に愛を伝えたい。
お母さんも、にこっとわたしに笑顔を向けて、
「輝美だったら、きっとそうしてくれるわね。お母さんは信じてるわ。お母さんの目からすると、お星さまより輝美の方がキラキラしてるから」
と言った。
「おかあさんも、キラキラしてる!」
「ありがとう、輝美」
お母さんは、わたしの髪をそっと撫でた。
「……ちゃん、お姉ちゃん!」
わたしでもない、お母さんでもない声が響いた。
閉じていた目を半開きにしてみる。
さっきまでわたしは、お母さんと外にいたはずなのに、今はベッドの中だ。
……夢、だったのか。お母さんの夢。
そりゃあ、そうだ。現実にわたしの親は、もういない。
双子の妹たちを産んだ後、わたしのお父さんとお母さんは、すぐに死んでしまったんだから。お母さんと話せたら、それは夢に決まっている。
「……うーん。……美奈(みな)?」
末妹の美奈が両手を腰に当てて、怒ったように口を結んでいた。
「んもう! 風を通すために窓を開けたのはいいけど、お布団かけないと風邪ひいちゃうよ!」
「ごめんごめん……」
ダメな姉だなぁ、わたしったら。
窓を開けて布団もかけないで寝たら、寝冷えするに決まっているじゃない。
それで妹に怒られるなんて。
「夜ご飯できたから、お姉ちゃんを呼んできてっておばさんに言われたの」
もう夜ご飯の時間だったのか。そういえば、この部屋には美奈しかいないな。
「瑠奈(るな)は?」
瑠奈、というのは美奈の双子の姉で、わたしのもう1人の妹。
「瑠奈は、叔母さんのお手伝いしてる」
わたしは、また、ダメな姉だなぁ、と思った。妹たちはおばさんの手伝いをしていたのか。姉のわたしは、窓を開けて布団をかけないで、ぐーぐー寝ていたということだ。