星の数より多く、君に愛を伝えたい。
わたしは、話しやすいように場所を変えてから、吾妻くんにお父さんとお母さんについて話すことにした。
「わたしのお父さんとお母さんね、病気だったんだ。妹達が生まれて、すぐにね。妹達が生まれて4ヶ月に、お父さんは車を運転してた時、歩行者を避けようとしたら柱にぶつかってそのまま……。その5ヶ月にお母さんは子宮頸がんで死んじゃったんだ。わたし……その時まだ9歳だったの」
「9歳……」
オウム返しに9歳と言った吾妻くんは、また眉をひそめている。
「そんな、同情してくれなくてもいいんだよ……? もう、どうやったってお父さんもお母さんもこの世に連れ戻す方法はないんだから」
わたしがそう言うと、吾妻くんは軽く頭を横に振った。
「それはそうなんだけどさ、やっぱどうしてもなんか……すげぇなって思っちゃうんだよね。親がいなくても頑張れるって」
「そんなことないよ。親戚のおじさんとおばさん、優しいし。おばさんと定期的にお母さんのお見舞いに行けて、お母さんとの思い出も、たくさんあって。どれも忘れたくない大切な思い出なの。だから、わたしはお父さんとお母さんがいなくても、色々な人たちにホント助けられてばかり。わたしのこと、心配しなくて平気だよ!」
「強いな、望月さんって」
ふっと息をもらして、吾妻くんは頰を緩めた。