星の数より多く、君に愛を伝えたい。
「て、輝美……」
5限目の授業を終わらせて、莉音が話しかけてきた。
なんだか、今の莉音の声はツンツンしている。
「あっ、莉音」
「さっきさ。なんの話してたの?」
「なんの話って?」
さっき、なんの話をしていたのか聞かれても、いつのことも誰と一緒だったのかというのも言われてないから分からない。
「いや、その……」
頭の中で、今日あったことを探し物を探るかのようにいろいろと思い返してみる。
「あっ」
莉音が少し不機嫌そうにしているのは、わたしが昼休みに過ごしていたことについてだと思った。
「もしかして、吾妻くん?」
わたしが吾妻くんの名前を口に出すと、顔を斜め下に向けてから、莉音は無言で頷いた。
「ちょっと気になって……。なんだったの?」
……あっ、そういえば莉音は吾妻くんのことが好きだったんだ。忘れてた。
でも、莉音はわたしが松岡くんのことを好きだって思ってるのに、吾妻くんとなんの話をしていたと思ったんだろう。
「あの、わたし、バレちゃったでしょ? お父さんとお母さんがいないこと。そのことで、話してただけだよ。
「そうだったんだ……。なんか、ごめん」
「ううん、いいの!」
嫉妬しちゃったんだなぁ、莉音。
本当に恋してるんだね。