星の数より多く、君に愛を伝えたい。
「女子ってこえーよなぁ。すぐ何かあると、ああやって噂あっちこっちに広めるし」
ほんと、ごもっともだよ。
俺は、うんうん、と激しく頷いた。
だけど、そう言っておいて海斗は信じてるかどうかはちょっと気になるな。
まあ、今の発言を聞く限り信じてないと思うけど。
「お前は信じてんの?」
「何が?」
「望月の噂」
「別に。人が捨て子とか、知りたくもねーし。そんなの知っても、いいことないっつーの」
そう言いながら、鼻をゴシゴシこする海斗。
「まあ、それも一理あるよな」
「まさか、お前は興味あんの? そういうの」
まさか、俺が望月のことを捨て子なんていつ思う時があるというんだろうか。
まあ、海斗は知らないからな。
俺が、もう望月の家庭の事情を知っていることなんて。
ただ、俺がこの場でそれを話したら誰かが聞いて望月の噂は大きくなる原因を作るだけになることは既に分かっていた。
だから、そんなことは喋らない。
「そんなんじゃねーけどさ、なんで女子がああいうの気にしてるのかが分からん」
「だよな」
そう言いながら、海斗が見た空は太陽の光が雲を縁取っていた。