星の数より多く、君に愛を伝えたい。
放課後。部活を終わらせた望月がいた。
「望月っ」
「松岡くん……!」
望月の瞳が、ぬれている。
ぬれたような瞳じゃなくて、あれは本当にぬれている。
「ごめんなさっ、こんな姿見せちゃって」
「いいよ、俺こそごめん。何もしてやれなくて」
というか、よくよく考えると俺のせいなんだよな。
俺が望月の家庭事情なんか聞いて、それをたまたま野本たちに聞こえちゃったからだ。そそしてそれを、誰かが聞こえたからこんな噂になったんだ。
聞くにしても、もっと目立たない場所を選ぶべきだったんだ。
俺のせいで今、望月が苦しんでいる。
俺じゃなくて、望月が1番苦しんでいる。
そう思うと、心にでっかい石でも落ちてきたように重くなった。