星の数より多く、君に愛を伝えたい。

輝美side

【複雑なハート】


月曜日に教室へ入ると、莉音が顔を出してきた。



「おはよう輝美ー!」



「おはよう、莉音!」



わたしは笑顔で挨拶を返しながら、机にバッグを置く。



「またあのデパート行けるといいよねー!」



「楽しかったよねー! お昼で食べたお肉も美味しかったし!」



バッグの中に入ってある教科書を机の中に入れながら、わたしは相槌を打った。



「そうそう!」



ふと視線を感じて、廊下をチラッと見てみるとショートカットの女の子がわたしのことをじっと見ていた。


わたしの記憶にある限り、一度も話したことや関わったことのない人だ。



「誰だろうね? あの子」



莉音も気が付いて、その子を見た。



「さあ?」



「行ってみる」



わたしは、廊下を出てショートカットの女の子に話しかけた。



「何か用があるの?」



わたしが聞くと、その子は首を横に振った後一礼をしてから、小走りで逃げてしまった。


びっくりさせちゃったのかな?
今から無理やり追いかけて、話を聞くなんていうのは悪いし、ここはわたしが諦めるしかなさそうだな。





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