星の数より多く、君に愛を伝えたい。
「望月先輩と吾妻先輩って、今恋人とかいるんですか?」
「わたしはいないし、吾妻くんもいないと思うよ」
「望月先輩って、吾妻先輩のことどう思ってますか?」
「バレー上手いし、優しいし、いい人だって思ってるよ?」
わたしは普通に答えただけなのに、なぜか沈黙が流れた。
「……それだけでいいんですか?」
不安そうに口を開く、すみれちゃん。
「ん? どういうこと?」
「その、望月先輩と吾妻先輩は、ただの同級生ってだけですか?」
「そうだよ」
その瞬間、すみれちゃんは安心したように、ふわあっと笑顔を浮かべた。
まるで、さっきまでしおれていた花が急に元気になったみたいに。
彼女は、すみれ、という名前がぴったりだなと場違いなことを思ってしまった。
「なんか、ごめんなさい。この間、仲良さそうに話してたので気になったんです」
「いえいえ。ちょっと相談に乗ってもらっただけで、わたしと吾妻くんはね、クラスも違うんだ。わたしのクラス、背が高い人あんまりいないからバスケ部ともバレー部とも、ほぼ関わりがないんだもの」
「ありがとうございます!」
あはは、とすみれちゃんは笑った。
この子は、何か悩んでいたのかな。悩みが解決したなら、まあよかったけれど、すみれちゃんは何に一体『ありがとう』って言ってるの?