星の数より多く、君に愛を伝えたい。
目をぱちくりさせてるわたしをよそに、すみれちゃんはペコリと頭を下げた。
「本当にごめんなさい! 色々と、変な質問ばかりしてしまって。望月先輩と吾妻先輩って、付き合ってるような感じがしたんですけど、わたしの勘違いだったんですね!」
そう言いながら、すみれちゃんの頰はだんだんバラ色に染まっていった。
あっ、この子は……。
「わたし、吾妻先輩が好きなんです」
うん、だと思った。
この子は、莉音の恋のライバルだ。
莉音には、ライバルがいたんだ。
「えへへ、言っちゃった。こんなこと、まだ友達にも言えてないんです」
「そう、本当に好きなんだね……」
「はい! わたし、頑張ります! 望月先輩、失礼しました!」
そう言って、すみれちゃんはまた頭を下げてからどこかへ行ってしまった。
莉音、ごめんね……。
でも、本当にどうしたらいいんだろう。
わたしがすみれちゃんを応援したら、莉音の恋を反対することになる。
かといって、わたしが莉音を応援したら、それはすみれちゃんの恋を反対するということだ。
莉音は大切な親友の1人で、辛い時でも味方になってくれた。
すみれちゃんは、礼儀正しくて初対面にも関わらずわたしを信じて、正直に気持ちを話してくれた。
どちらかを取るなんて、できない。