星の数より多く、君に愛を伝えたい。
「り、莉音の恋のライバル?」
「うん、そういうことになるね」
2人は、そう話し合っている。
美少女が恋のライバルだなんて知ったら、莉音は不安になっちゃうだろうな。
もちろん莉音はすごく美人なんだけど、すみれちゃんが可愛すぎるんだよ。
「莉音に言った方がいいかな?」
おずおずと、わたしは2人に口を開いた。
「どうしよう……」
「わたしは……言っておいた方がいいと思う!」
迷っている花乃の横で、真帆が自分の意見を通した。
「傷つけたくないし」
そうだね、わたしもお父さんとお母さんがいないことをずっと黙っていて、それで真帆を傷つけたんだもの。
真帆だけじゃない。花乃と莉音だって、そんなことを知って喜ぶわけがない。
つまり、知ったふりをしておいて黙っておくのが1番良くないんだ。
「そうだね……。いつ言う? なるべく早く言ったほうが、傷は深くならないと思うから」
わたしがそう言うと、花乃もむつかしい顔をした。
「うん。とりあえず、明日莉音が来たら行っておこっか」
わたしと真帆は、花乃の意見に黙って頷いた。