星の数より多く、君に愛を伝えたい。

「い、今の話……もしかして聞こえちゃってました？」



すみれちゃんが、恥ずかしそうに笑った。



「あはは、ちょっとね」



「じゃあ、説明しなくても大丈夫ですかね？　わたし達、お互いに頑張ろうと決心しました！！」



わたしも、松岡くんが好きなの。そして、わたしの友達は、すみれちゃんと同じように吾妻くんが好きなの。


そのことを、言いたい。
そのことが、言えない。



「そ、そっか……」



もうこれじゃあ、後に引けないよ。



「恋する女子同士、2人で一緒に頑張っていけばなんだか勇気がわいてくるんです！」



「わたし達、友達ですから……！」



儚い笑顔をする、なつちゃん。
絶対に頑張ってみせる、という強い意志を持つ笑顔を見せるすみれちゃん。



「うんうん……」



わたしは、喉から声を振り絞った。



「ていうか、先輩にこれ話す必要あった？」



「わたしが1番に相談した人だったもん。だから、頑張ろうって決めたことは先輩に報告したかったの！」



「そっか」



なつちゃんは、納得するように頷く。



「あ、ごめんなさい先輩。お時間いただいちゃって」



すみれちゃんは、軽く頭を下げながら言った。



「ううん、いいのいいの。じゃあね！」



わたしは、さっと顔をそらしてから帰った。


いくら、自分の気持ちを言えなかったからって。


応援するよ。
頑張ってね。


やっぱり、そのことも言えないよ……！